<“一人一鉢栽培活動”の“ねらい”は?>

 一人一鉢の栽培活動がある。文字通り児童それぞれが自分の植木鉢で自分の植物を育てる活動である。
 さて、子ども達は、はじめは一生懸命世話をするのだが、1週間、10日とたつうちにだんだん世話をしない子が出てくる。見にも行かなければ水もやらないのである。担任はどうすればよいか?

 A先生:グループで当番を決めて、順番に水遣りをさせる。
  B先生:気がついた子が自分の水遣りのとき、忘れている子の鉢にも水をやるよう指導する。
  C先生:しおれていることをその子に教えてあげるよう指導するが、水遣りはあくまでも本人の責任とする。

 実際にはこのほかにもいろいろ対応は考えられる。大切なことは、「どんな“ねらい”で
一人一鉢の栽培活動をしているか」にかかっている。
 A先生は、グループ活動を重視して、助け合うことを学ばせたいと考えたのかもしれない。
B先生は、個性を大切にしたいと思い、植物の世話ができない子は他のよい点を伸ばしてやることとして、毎日植物の世話をする子の優しい心を育むことを第一にしたいのかもしれない。
C先生は、この活動を通してあくまでも一人一人の責任感を育てたいと考え、枯れてしまったときに本人に指導したいのかもしれない。
 表面上は同じ“一人一鉢栽培活動”でも、“ねらい”によって指導は異なるはずである。教育活動の“ねらい”に照らし、学級集団や子どもの実態に即した指導が必要である。