<学校現場に中堅がいない>

 皆さんが勤務する公立小中学校の教師たちの年齢構成は、どのようになっていますか?20歳代あるいは30代前半と50歳代が多く、中間年齢層が少なくはありませんか?多くの学校で中間年齢層が少ないひょうたん型の年齢構成になっています。
 この現象には歴史的社会的な理由があります。団塊ジュニアの就学時期の教員増。少子化による教員減。学級定員減や教員定数の改善進行による教員増。社会状況も含めた諸々の事情です。昨今は教員採用試験応募の年齢制限は緩和されてきていますが、かつて、多くの教育委員会では、新卒者あるいは若い人を優先して採用してきたことも影響しているのではないかと思います。いずれにしろ2009年の現在では、30代後半から40代くらいの教員割合が少ないのが多くの学校の現状でしょう。

 各学校のこの年代の教員たち、すなわち中堅のところへは当然のようにたくさんの重要な仕事が集中します。人数が少ないのですから一人の負担は重くなります。また、この中の多くの人には近い将来(あるいはすでに)教務主任、研究主任、教頭、校長など重要ポストについてもらわなくてはなりません。責任ポストについてもらうべき人の割合は、人数が少ないがゆえに高くなります。この人たちには、その学校内だけでなく教育界全体をリードしてもらう為の勉強も期待されます。
 こうしてみると、今の中堅の教師には、そうとうの負担がかかっているのが実情でしょう。若い人と一緒に仕事をしながら、私的な交流をも含むきめ細かい対応で若手を育てていくゆとりはないように思います。

 こういった現実も、教師文化伝承の妨げになっているのではないかと思います。