<土曜日午後は貴重な時間だった>

 土曜日が半日の授業日であったころ、その午後は大切な時間であった。

 午前中の授業を終え、教師同士で連れ立って食事に出かけた。部活動の指導があるときは、短時間で学校へ戻ったが、それでも食事をしながら雑談できた。平日の夕方には喫茶店に行けないママさん教師も、土曜日には一緒に食事に出かけた。

 また土曜日の午後には、職員室で教材研究や事務仕事をする教師も多かった。そして、そこで雑談になることも多い。

 土曜日が休日になり、土曜日の午後に可能だった教材研究や子どもの学習成果物(ノートや学習プリント)の点検、さらに事務処理など、多くは平日の授業後にやらざるを得なくなった。その結果、平日の授業後も職員室の雑談は減る一方である。

 かつての若い教師は、こうした雑談の中から、研修会に出かけるよりもたくさんのことを臨床的に学んでいた。こうした雑談の中で、学校文化、教師文化が伝承されていったのである。